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2017年1月26日木曜日

金融会社のデジタル戦略、デジタルイノベーションについて

昨年より、銀行や保険会社等の金融会社でデジタル戦略や、デジタルでのイノベーションを担当する部署が新設されてきています。

新設される部署のJob Descriptionは何かな、ということを考えてみました。

部署を新設しないまでも、金融会社は誰かに下記のようなJobをアサインし、実行していく必要があるのかなと思います。

Objectives
テクノロジーの発達に伴う現在及び将来の消費者のライフスタイルの変化を見据え、デジタルの観点から自社の戦略を立案し、推進する

Outcome
デジタル化による収入増(新規顧客獲得、upセル、crossセル)
デジタル化による販管費減 (作業自動化等)

Output
1. デジタル戦略の立案(どの分野に投資して競争優位)
2. テクノロジーポートフォリオを中心としたレポートの作成
3. POCを実施し、各部門へのImplementationを提言
4. デジタル化に関するセミナー、トレーニングの開催

Research
1. テクノロジーポートフォリオの作成:テクノロジーベース、バリューチェーンベース、課題ベース、財務指標ベース、ベンダーベース

Open innovation
スタートアップ企業、他社、研究所との連携や共同でPrototypingや実証実験を実施

Development
POC
Prototyping

Stakeholder communication
1. ビジネスとカスタマージャーニー/エクスペリエンス、顧客管理について協議
2. オペレーション部門とデジタル化によるコスト減について協議
3. 情報システム部と既存システムとの整合性、integrationについて確認
4. エバンジェリストとしてセミナー、トレーニングを各部門に対し開催

東京海上によるブロックチェーン実証事業実施

東京海上がブロックチェーン活用の実証事業を実施するとのことです。Planetway社のavenue-crossという技術を使用し、実証事業を行うとのこと。

ブロックチェーン技術の活用領域拡大に向けた実証事業を開始
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/170124_001.pdf

Planetwayという会社、聞いたことがないのでウェブサイトなどで見てみると、2015年に日本人によってシリコンバレーに設立されたスタートアップのようです。

下記でavenue-crossの説明がされています。
http://pwlvc.com/jp/business/avenue.html

「15年間におよぶ電子政府国家エストニアの政府インフラを民間応用」とあるようにエストニアで使用されている技術を応用したもののようです。

Planetwayの取締役にエストニア経済通信省に勤めていたラウル・アリキヴィ氏がいますし、エストニア企業とPlanetwayのパートナーシップ発表においてもエストニア政府CIOのメッセージがありますから、エストニアとかなり強い関係を持っていることかと思います。

エストニア政府 CIO(最高情報責任者)ターヴィ・コトカ氏(Mr. Taavi Kotka)2015年11月13日 TAKT記者会見メッセージ
http://cortanavideo.top/index.php?a=watch/5sYah9QCmpo

avenue-crossの特徴として「beyond API」が挙げられているのですが、技術的にどんな点でAPIをbeyondしているのかを知りたいところです。

Planetwayは交通事故予防サービスのアイディアでスタートアップ育成プログラムで受賞などもしていますし、気になるスタートアップの一つです。

IBM® BlueHubの「Open Innovation Initiative For Automotive/Healthcare」で『Avenue-Cross』を活用したサービスプランが最優秀賞・審査員特別賞を受賞
http://pwlvc.com/jp/infomation/press_release/20161209_001.html

2017年1月24日火曜日

ガートナー、人工知能 (AI) に関する10の「よくある誤解」を発表

ガートナー、人工知能 (AI) に関する10の「よくある誤解」を発表
https://www.gartner.co.jp/press/html/pr20161222-01.html

この記事を読んでAIに関するよくある誤解というか前提として考えなくてはいけないこと今回は取り上げてみたいと思います。

1. アウトカムを明確にする
どんなにAI(のなかの機械学習)を駆使したとしても、分析結果がトップラインなりボトムラインに影響を与えないのならば、分析のための分析になってしまい、意味がないのではないでしょうか。

データが豊富にある場合「まずはなにができるかをも考えるために分析してみよう」というのはきっかけとしてはいいのかもしれませんが、その際も売上向上、コスト削減といった明確なゴールを設定した上で分析を開始するべきでしょう。

2. Garbage in, Garbage out
正しくないデータでどんな分析を行っても、出てくる分析結果は正しくなりえません。

データ分析について語るとき、分析のソースとなる「データの正しさ」や「正しさを保つための業務フロー」について議論されることが少ないかなと思います。例として、下記のようなことを考えなくはいけないかと。

1. データが取得/入力されるアプリケーションはそもそも正しくデータを保存しているか。郵便番号入力が頭0が桁落ちしてしまう等の問題が発生していないか。

2. 「正しくないデータ」が入力されてしまった場合に、それを検知するシステム/業務は構築されているか。正当性チェックのプログラムを組んだり、それをしかるべき人間(データオーナー等)が確認できるようになっているか。

3. マスターデータの整合性は保たれているか(グループ企業間でも商品とのマスターデータの持ち方が異なる場合がある)

4. データやその分析結果のオーナーシップやアカウンタビリティをもつ部署を明確にする

金融企業でデータ分析を専門に行う部署ができておりますが、分析がビジネスにおいて価値を発揮し続けるためには上記のようなことを考えておかないと、Garbage in, Gabage outになってしまうかと思います。

下記でもAIを活用したいと考える前に、解決しなければならない課題が説明されています。
金食い虫の「機械学習」と実用に堪えない「ディープラーニング」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/122700311/011700003/