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2017年1月16日月曜日

AIと倫理 AI開発ガイドライン

総務省が、人工知能(AI)の開発ガイドラインの策定に乗り出したと、ITProのウェブサイトで取り上げられています。

総務省がAI開発ガイドライン作成へ、透明性や制御可能性など求める

昨年末よりパブリックコメントが実施されており、下記に論点の要旨がまとめられています。
「AI開発ガイドライン」(仮称)の策定に向けた国際的議論の用に供する素案の作成に関する論点(要旨)

倫理と関わる論点を抜き出しますと、下記のようになっています。
(6) 倫理の原則 AIネットワークシステムの研究開発において、人間の尊厳と個人の自律を尊重すること。
1. 倫理の原則においては、人間性(humanity)の価値を中心に据えつつ、人間の尊厳と個人の自律を尊重すべき旨を掲げることとして はどうか。
2. 国際人権法・国際人道法等を参照し、AIネットワークシステムが人間性の価値を毀損してはならないとしてはどうか。
3. 人間の脳・身体と融合又は連携するAIを研究開発する際には、人間の尊厳と個人の自律の尊重について、生命倫理等の議論も 参照しつつ、特に慎重に配慮すべきとしてはどうか。
4. AIの開発において、個人を公平に尊重する観点から、技術的に可能な範囲で、AIの学習するデータに含まれる偏見等に起因 する差別(人種、性、宗教等による差別)を防止するための措置を講ずべきとしてはどうか。
4の偏見等に起因する差別についてですが、人種、性、宗教等すでに差別すべきものでないと認識されているものは当然として、人の性格/嗜好/生活に関する様々なデータが取得できるようになっている以上、"人間性(humanity)"を中心にすえ、人間性の価値を棄損しないように、という原則がガイドラインとして掲げられるのは必要不可欠かと思います。