積読状態だった小島寛之『文系のための数学教室』を読み直し、本日読了しました。

別途「社会人のための数学(再)入門」というページを作成しようと考えていまして、今手元にある数学入門書を読み漁っています。
私自身は志望大学の学部が文系だったため、高校で数学に関しては必要最低限しか勉強しておりませんでした。IT部門で働くにあたって必要となる数学的知識に関しては基本情報技術者試験受験の際に学んだもののみで、仕事に直結しないものの高校数学を学び直し、可能であれば大学レベルの数学も勉強したいなと考えていました。
そこで、下記のような数学入門本を購入し、読みかけては放り出したりしていたのですが、『TensorFlowで学ぶディープラーニング入門』で、その仕組みを根本から理解するには、やはり数学は必要不可欠だなと改めて思うに至り、仕切り直しでこれらの本を再読しはじめた次第です。
小島寛之『文系のための数学教室』
小島寛之『世界を読みとく数学入門 日常に隠された「数」をめぐる冒険』
矢野健太郎『数学の考え方』
吉田洋一・赤攝也『数学序説』
岡部恒治・本丸諒『まずはこの一冊から 意味がわかる微分・積分』
今回は小島寛之『文系のための数学教室』を取り上げ、他のものも読了したら、「社会人が数学を勉強しなおすにあったて、どの本がいいか、どのような方法がいいか」といったことを考えたいと思います。
まずは、タイトルにある「文系」という言葉に関しては、下記の方々と同様の考え方を私はもっています。大学受験等の制度は別の議論として、人を「文系」「理系」で分けるのは、あまり意味がないというか、むしろ害があるのではと。
(ちなみに同様に、右脳派、左脳派で分けるのみ意味がないと考えています)。
文系か理系かに分ける意味はない
http://fukaihanashi.hatenablog.com/entry/2016/07/28/150019
文系理系で人を分けるのは残念な人に見えるからやめた方が良い
http://www.02320.net/thinking-patterns/
とはいうものの、自身が受けてきた教育を「文系/理系」と分けることは一程度できるでしょうし、私自身もですが「文系教育」を受けてきた人にとって『文系のための数学教室』はお勧めの本です。(なお、著者の小島寛之氏も人の脳/考え方が文系/理系にデジタルに分かれるのではないはずと序章で述べています)。
「社会人のための数学(再)入門」という枠で本書を、私が位置付けるとしたら下記のようになります。
「一つ一つの概念について基礎から理解するよりも、その概念に関わる具体例や活用用法のfactを知る。そして、概念について根本から理解する際に、そのfactを援用する」小島氏の説明に従うと「数式を頭の中でなんらかの具体的なイメージに置き換える」ということです。
そのため、一つ一つの数式については、説明が省略されているところもあり、「なぜ、そうなるのか」と疑問が残ったままになります。数学入門書系の本を読んでいて、「であるからして、〜になる」と説明されているときの、「であるからして」が全く知識がない人にとっても理解できる程に十分にstep by stepに分解されていないと、このように「なぜ、そうなるのか」と理解できないケースが多いのですが、本書にもそのような箇所はあります。
別途、吉田洋一・赤攝也『数学序説』も読み進めているのですが、こちらでは、step by stepの説明の分解の粒度がかなり細かくなっており、時間はかかるものの「であるからして」の流れが明瞭に理解できるようになっています。
そういうこともあり、『文系のための数学教室』に関しては、現時点で自分がもっている知識によって、理解できるものと理解できないものがありました。
下記が本書の目次なのですが、序章の微積分や第1章、3章、4章は理解が進んだものの、第2章については、あまり理解できていません。他の入門書も読みながら気付いたのは、総じて私自身は代数については理解しやすいものの、幾何については理解しにくい、ということです。プログラムを書く中で、事象をy = f(x)の形に落とし込むのに慣れているので、代数については理解がしやすいのかなと思います。
序章 棒グラフで微分積分読解術
第1章 日常の論理と数学の論理
第2章 「距離」を規制緩和する話
第3章 民主主義を数学で考える
第4章 神の数学から世俗の数学へ
終章 数学は<私>のなかにある
とはいうものの、目次からもわかるように数式を理解するための「具体的なイメージ」がふんだんに説明されていますので、文系教育を受けてきた方で、もう一度数学を勉強し直したいと思っている方にはお勧めの一冊かと思います。
私自身は志望大学の学部が文系だったため、高校で数学に関しては必要最低限しか勉強しておりませんでした。IT部門で働くにあたって必要となる数学的知識に関しては基本情報技術者試験受験の際に学んだもののみで、仕事に直結しないものの高校数学を学び直し、可能であれば大学レベルの数学も勉強したいなと考えていました。
そこで、下記のような数学入門本を購入し、読みかけては放り出したりしていたのですが、『TensorFlowで学ぶディープラーニング入門』で、その仕組みを根本から理解するには、やはり数学は必要不可欠だなと改めて思うに至り、仕切り直しでこれらの本を再読しはじめた次第です。
小島寛之『文系のための数学教室』
小島寛之『世界を読みとく数学入門 日常に隠された「数」をめぐる冒険』
矢野健太郎『数学の考え方』
吉田洋一・赤攝也『数学序説』
岡部恒治・本丸諒『まずはこの一冊から 意味がわかる微分・積分』
今回は小島寛之『文系のための数学教室』を取り上げ、他のものも読了したら、「社会人が数学を勉強しなおすにあったて、どの本がいいか、どのような方法がいいか」といったことを考えたいと思います。
まずは、タイトルにある「文系」という言葉に関しては、下記の方々と同様の考え方を私はもっています。大学受験等の制度は別の議論として、人を「文系」「理系」で分けるのは、あまり意味がないというか、むしろ害があるのではと。
(ちなみに同様に、右脳派、左脳派で分けるのみ意味がないと考えています)。
文系か理系かに分ける意味はない
http://fukaihanashi.hatenablog.com/entry/2016/07/28/150019
文系理系で人を分けるのは残念な人に見えるからやめた方が良い
http://www.02320.net/thinking-patterns/
とはいうものの、自身が受けてきた教育を「文系/理系」と分けることは一程度できるでしょうし、私自身もですが「文系教育」を受けてきた人にとって『文系のための数学教室』はお勧めの本です。(なお、著者の小島寛之氏も人の脳/考え方が文系/理系にデジタルに分かれるのではないはずと序章で述べています)。
「社会人のための数学(再)入門」という枠で本書を、私が位置付けるとしたら下記のようになります。
「一つ一つの概念について基礎から理解するよりも、その概念に関わる具体例や活用用法のfactを知る。そして、概念について根本から理解する際に、そのfactを援用する」小島氏の説明に従うと「数式を頭の中でなんらかの具体的なイメージに置き換える」ということです。
そのため、一つ一つの数式については、説明が省略されているところもあり、「なぜ、そうなるのか」と疑問が残ったままになります。数学入門書系の本を読んでいて、「であるからして、〜になる」と説明されているときの、「であるからして」が全く知識がない人にとっても理解できる程に十分にstep by stepに分解されていないと、このように「なぜ、そうなるのか」と理解できないケースが多いのですが、本書にもそのような箇所はあります。
別途、吉田洋一・赤攝也『数学序説』も読み進めているのですが、こちらでは、step by stepの説明の分解の粒度がかなり細かくなっており、時間はかかるものの「であるからして」の流れが明瞭に理解できるようになっています。
そういうこともあり、『文系のための数学教室』に関しては、現時点で自分がもっている知識によって、理解できるものと理解できないものがありました。
下記が本書の目次なのですが、序章の微積分や第1章、3章、4章は理解が進んだものの、第2章については、あまり理解できていません。他の入門書も読みながら気付いたのは、総じて私自身は代数については理解しやすいものの、幾何については理解しにくい、ということです。プログラムを書く中で、事象をy = f(x)の形に落とし込むのに慣れているので、代数については理解がしやすいのかなと思います。
序章 棒グラフで微分積分読解術
第1章 日常の論理と数学の論理
第2章 「距離」を規制緩和する話
第3章 民主主義を数学で考える
第4章 神の数学から世俗の数学へ
終章 数学は<私>のなかにある
とはいうものの、目次からもわかるように数式を理解するための「具体的なイメージ」がふんだんに説明されていますので、文系教育を受けてきた方で、もう一度数学を勉強し直したいと思っている方にはお勧めの一冊かと思います。