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2017年5月4日木曜日

保険証券へのブロックチェーン技術適用

保険証券へのブロックチェーン技術適用に関する実証実験の完了
http://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2017/042401.html

東京海上とNTTデータがブロックチェーン技術適用に関する実証実験を完了したとのこと。

実証実験の詳細は下記に記載されています。

「保険証券へのブロックチェーン技術適用に関する 実証実験の完了」 別紙
http://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2017/pdf/042401-01.pdf

PoCの詳細が記載されており、これからブロックチーェンのPoCを行っている会社は色々と参考になりそうです。

2017年3月14日火曜日

金融庁、FinTech活用に向け他国の金融規制当局と協働

金融庁が先週、今週と下記のように他国の金融規制当局との協働について発表しています。
Brexitの渦中にある英国とあえて協働を発表するのは、何か意図があるのでしょうか。また、英国と関係が強いシンガポールとの協働を発表しているのも気になります。

日本と英国の金融規制当局が、革新的なFinTech企業を支援するための協力枠組みに関する書簡交換を発表
http://www.fsa.go.jp/inter/etc/20170309-1.html

日本・シンガポール、FinTech協力枠組みを構築
http://www.fsa.go.jp/inter/etc/20170313-1.html

人工知能 + 認知科学 + 神経科学 異分野交流会

下記のイベント、メールマガジンで本日知り、申し込しましたが、既に申込者多数でキャンセル待ちという状況でした。内容が面白そうなので、是非とも参加したいところです。

人工知能 + 認知科学 + 神経科学 異分野交流会
https://wbawakate.connpass.com/event/53050/

2017年3月5日日曜日

フィンテック推進の銀行法改正

日本のFinTechに減速の危機、銀行API公開に「待った」の声
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/022700858/?mln

上記のITproの記事、PVを集めるための意図的なミスリードかもしれませんが、銀行API公開に対して「待った」ではなく、銀行APIを使用するスタートアップ企業を登録制にすると、過剰規制になるのではないか、という提示された改正案に対する「待った」です。むしろ、銀行API公開を後押し、より利用が促進されるように自民党が働きかけているとよめます。

下記の記事にありますが、改正案の修正案が出され、無事3月3日に閣議決定される予定とのことです。

フィンテック推進の銀行法改正案を了承=自民党部会
http://jp.reuters.com/article/fintech-idJPKBN1660LO

FISC 金融機関におけるFinTechに関する有識者検討会

FISCが昨年10月に開催された、FinTechに関する有識者検討会の議事録と配布資料を公表されました。

「第1回金融機関におけるFinTechに関する有識者検討会」議事録、配布資料掲載のお知らせ
https://www.fisc.or.jp/isolate/?id=900&c=topics&sid=336

FinTechにより従来とは異なる外部委託管理の在り方について考えなくてはいけない課題と、官民ともに認識しているようで、本会議でも下記のように外部委託の在り方についての議論がなされています。

外部委託検討会報告書の概要
https://www.fisc.or.jp/isolate/index.php?dl=791E4A099F6B92BCE091DE78A501C0ECE74C826A2273A8F92A2C71DCB42A6693&No=2

2017年2月18日土曜日

矢野健太郎『数学の考え方』

矢野健太郎『数学の考え方』を読了



1964年に出版された原書を2015年に文庫化された本です。著者による1964年時のまえがきも魅力的です。

学校で教わる数学が面白くない問題を冒頭に取り上げ、下記が原因の一つではと言及しています。
教師があなたに数学の話をするばあいに、あなたが一般の人であって、かならずしも科学や技術をめざす人ではないことを忘れて、あまりに細かい計算や技巧にこだわりすぎることではないかと思います。
がしかし、数学の本質は計算や技巧ではなく、考え方、思想であるとし、本書では、その観点から数学の歴史が紐解かれています。
ところが、数学の生い立ちを振り返ってみますと、その本質は計算や技巧の歴史ではなく、むしろ考え方の歴史、思想の歴史であるといってもよいようです。
私自身の言葉でいうと「数学」を言語として捉え、その歴史についての本です。
下記が目次です。

まえがき
第1章 歴史が始まるまえの数学
第2章 古代の数学
第3章 数学の歩み
第4章 17世紀の数学
第5章 トポロジー
第6章 集合
第7章 確率
おわりに

第1章、第2章あたりまでは、歴史的エピソードや具体例も多く読んでいて非常に勉強になりますし、面白いです。

その後に関しては、章や節によって記述の粒度にばらつきがあるというか、単なる紹介のみが行われ、数学初心者としては理解しにくい箇所も多いです。

例えば、同じ第3章内であっても、対数については、なぜ対数の概念が必要になったのか、天文学における「計算」という実務から説明されていて非常に理解がしやすかったのですが、一方幾何学に関する節は、様々な概念が背景等の説明なしに列挙されているように見受けられました。

とは言うものの、全体としてはわかりやすい説明が多く、「言語としての数学」を理解する上で、お勧めの一冊です。

デリダの概念からプログラミングを考える

矢野健太郎『数学』の考え方のポストを書く上で、数の概念も身体性に強く紐付いていることを考える際に、パロール/エクリチュールの関係が援用できるのではないかと思い、面白い記事がない調べてみたところ、下記のものを見つけることができました。

エクリチュールとしてのプログラミング

このブログで、下記のカテゴリーでITと哲学に関するポストで考察してきたことと同様のことが上記の記事で言及されています。

http://fintechstrikesback.blogspot.jp/search/label/Philosophy

金融庁と金融業界のFinTechに関する論点整理

FSAのウェブサイトに、FSAが 書く各金融団体との意見交換会において提起した論点を公表しています。

主要銀行との意見交換での提起された論点が下記にまとめられています。

下記引用にあるように、テクノロジーに関する論点が大半をしめております、かなり積極的な内容となっています。
○ IT テクノロジーの進化に伴いビジネスのゲームチェンジが加速する 中で、将来を見据えた経営全体としての意思決定を遅滞なく行ってい くことが課題。伝統的な銀行業の収益性が低下する上、FinTech 企業の 参入により競争環境も厳しくなる中、資本コストを意識し業務の選択 と集中を進めることが重要。 
○ その際、これまでの方針を大幅に変えるような意思決定を果断に実 施できるような態勢が整備できているか、短期的に痛みを伴うが中長 期的に企業価値を向上できるような改革を継続的に行っていけるよう なガバナンスが構築できているかが重要。 
 ○ 法制面でも、環境変化への適切な対応が求められており、昨年は金 融グループ経営や ITの進展を踏まえた制度面での手当てを行ったとこ ろである。本年においても、電子決済分野におけるオープン・イノベ ーションの推進のための法案の提出等を予定。 
○ 今後予想される ITの進化に伴う金融サービスのアンバンドリングと 顧客を中心としたリバンドリングの更なる進展などを考えると、現行 の金融規制体系が時代遅れになる可能性も考えられる。顧客の保護と 利便性向上、金融システム維持が確保され、経済の発展に資する規制 体系を前広に考えていく必要。
リスクをとるようなガバナンスのあり方や、金融サービスのアンバンドリング、リバンドリングについて言及するなど、銀行に変化を促すFSAの姿勢が読み取れます。

2017年2月14日火曜日

探索アルゴリムズまとめ

edX ColumbiaXのAI (CSMM.101x)で説明されているAIで使用される探索アルゴリムズのまとめです。

b: 一つの分岐における最大の分岐数
d: 探索木における解がある深さ
m: 探索木における最大の深さ

Uninformed Search (=網羅的探索 brute-force search, 盲目的探索 blind search)
BFS: Breadth-first Search 横型探索法、幅優先探索法
空間計算量:O(b^d)
時間計算量:O(b^d)
  完全性:○(分岐bが有限の場合。無限の場合は完全ではない)
  最適性:○(グラフの重みが全て同じであれば、最適である)

アルゴリズム
function BFS (initialState, goalTest)
    returns SUCCESS or FAILURE:

    frontier = Queue.new(initialState)
    explored = Set.new()

    while not frontier.isEmpty()

        state = frontier.dequeue()
        explored.add(state)

        if goalTest(state):
            return SUCCESS(state)

        for neighbour in state.neighbours():
            if neighbour not in frontier U explored:
                frontier.enqueue(neighbour)
    return FAILURE

DFS: Depth-first Search 縦型探索法、深さ優先探索法
空間計算量:O(bm)
時間計算量:O(b^m)
  完全性:○(深さが有限の場合)
  最適性:✖️

アルゴリズム
function DFS (initialState, goalTest)
    returns SUCCESS or FAILURE:

    frontier = Stack.new(initialState)
    explored = Set.new()

    while not frontier.isEmpty()

        state = frontier.pop()
        explored.add(state)

        if goalTest(state):
            return SUCCESS(state)

        for neighbour in state.neighbours():
            if neighbour not in frontier U explored:
                frontier.push(neighbour)
    return FAILURE

IDS: Iterative Deepening Depth-first Search 反復深化深さ優先探索
空間計算量:O(bd): bは分岐係数、dは深さ
時間計算量:O(b^d)
  完全性:○
  最適性:○

説明:IDSを知識あり探索にしたものがIDA*である。これは、ダイクストラ法を知識あり探索にしたものがA*であることに対応する。

DA: Dijkstra Algorithm ダイクストラ法
空間計算量:
時間計算量:
  完全性:
  最適性:

UCS: Uniform-Cost Search 均一コスト探索法
空間計算量:O(b^(c/e)): Cは最適解のコスト、eは1アクションあたりの最低コスト
時間計算量:O(b^(c/e))
  完全性:○(コストが有限の場合)
  最適性:○

説明:ステップコストが全て同じであるときは幅優先探索と同じアルゴリズムになる。

アルゴリズム
function UCS (initialState, goalTest)
    returns SUCCESS or FAILURE: /*Cost f(n) = g(n) */

    frontier = Heap.new(initialState)
    explored = Set.new()

    while not frontier.isEmpty()

        state = frontier.deleteMin()
        explored.add(state)

        if goalTest(state):
            return SUCCESS(state)

        for neighbour in state.neighbours():
            if neighbour not in frontier U explored:
                frontier.insert(neighbour)
            else if neighbour in frontier:
                 frontier.decreaseKey(neighbour)
    return FAILURE

Informed Search (=発見的探索法 heuristic search)
Greedy Best-first Search 最良優先探索法

空間計算量:
時間計算量:
  完全性:
  最適性:

説明:
(1)方向性をもった探索なので、縦型探索や横型探索よりも早く解が求められる。
(2)未探索接点を全て保存しておく必要があるので使用メモリが膨大となる。
(3)適当な発見的関数が存在しない場合には使えない

アルゴリズム
function GBFS (initialState, goalTest)
    returns SUCCESS or FAILURE: /*Cost f(n) = h(n) */

    frontier = Heap.new(initialState)
    explored = Set.new()

    while not frontier.isEmpty()

        state = frontier.deleteMin()
        explored.add(state)

        if goalTest(state):
            return SUCCESS(state)

        for neighbour in state.neighbours():
            if neighbour not in frontier U explored:
                frontier.insert(neighbour)
            else if neighbour in frontier:
                 frontier.decreaseKey(neighbour)
    return FAILURE

A* Search エイスター探索法
空間計算量:
時間計算量:
  完全性:
  最適性:○(発見的関数h(n)が許容的(admissibleな場合))

説明:A*アルゴリズムは、ダイクストラ法を推定値つきの場合に一般化したもので、hが常に0である場合はもとのダイクストラ法に一致する。
(1)最適経路が必ず得られる
(2)条件を満たす発見的関数が思いつかない場合には使えない
(3)方向性をもった探索なので、縦型探索や横型探索よりも早く解が求められる
(4)最良優先探索と同様の理由で使用メモリが膨大になる

アルゴリズム
function GBFS (initialState, goalTest)
    returns SUCCESS or FAILURE: /*Cost f(n) = 
g(n) + h(n) */

    frontier = Heap.new(initialState)
    explored = Set.new()

    while not frontier.isEmpty()

        state = frontier.deleteMin()
        explored.add(state)

        if goalTest(state):
            return SUCCESS(state)

        for neighbour in state.neighbours():
            if neighbour not in frontier U explored:
                frontier.insert(neighbour)
            else if neighbour in frontier:
                 frontier.decreaseKey(neighbour)
    return FAILURE

Local Search
Hill Climbing Search(Greedy Local Search): 山登り法
空間計算量:
時間計算量:
  完全性:
  最適性:✖️

説明:
(1)現在の状態だけを保存しておけばよいので、最良優先探索法に比べ使用メモリならびに探索の手間が少ない
(2)バックトラックが得られるとは限らない
(3)最適解が得られるとは限らない

アルゴリズム
function HILL-CLIMBING(initialState)
    returns State that is a local maximum

   
    initialize current with initialState

    loop do
         neighbour = a highest - valued successor of current

         if neighbour.value <= current.value:
              return current.state
         current = neighbour

2017年2月13日月曜日

CSMM.101x: Week 4: Adversarial Search and Games

edX ColumbiaXのAI (CSMM.101x) Week4のまとめです。

日本語資料では、下記が参考になりそうです。

ミニマックス法とアルファベータ法
http://www.geocities.jp/m_hiroi/light/pyalgo24.html

Suggest Readings
下記が参照記事としてあげられています。
WIRED: Inside Libratus, the Poker AI That Out-Bluffed the Best Humans: http://www.wired.com/2017/02/libratus/
4.1 Adversarial Search and Games
Adversarial Search(∽game)が今回のテーマです。Adversarial Searchは適切な訳が見つけられませんでした。
ゲームの特徴は我々がコントロールできない相手が存在することで、最適なソリューションは一連の行動ではなく、strategy(policy)となる。

ゲームの種類は、プレイヤーの手が全て見えているかどうか、また運の要素があるかどうかの二軸で、四次元に分けられる。

Perfect Information
Deterministic: Chess, Checkers, Go, Othello
Chance (stochastic): Backgammon, Monopoly

Imperfect Information
Deterministic: Battleships, Blind Tictactoe
Chance (stochastic): Bridge, Poker, Scrabble Nuclear War

AIで主に扱うのは、ゼロサムゲームと呼ばれる、Chess, Checkers, Go, OthelloなどのPerfect Informationが与えられ、Deterministicなゲームである。

Zero-sum Gamesの特徴
* Adversarial: Pure Competition
* Agents have different values on the outcomes
* One agent maximizes one single value, while the other minimizes it

4.2 Minimax algorithm
ミニマックス法の説明が行なわれている。
以下が特徴としてあげられる。
1. DFSである
2. 最適な解は探索木のどの深さでもありうる。
3. 解は最適であり、有限な探索木であれば完全性が保証される
4. 時間計算量は O(b^m), 空間計算量はO(bm)
が、現実的な場面では時間が限られており、全てのリーフの探索はできない。
対応方法のひとつとして「枝刈り」がある。

4.3 Alpha-Beta Pruning (アルファ・ベータ枝刈り)
代表的な方法としてα-β 枝刈りが紹介されている。
Strategy: ミニマックス法と同じく、DFSである。
αは、Maxのなりうる最大値であり、その時点でのMaxの最下限の数値である
βは、Minのなりうる最小値であり、その時点でのMinの最上限の数値である

4.4 Stochastic games
サイコロをなげる、カードをシャッフルするなどランダムな要素のあるゲーム
探索木にChanceノードというノードを追加し、ランダムな要素を組み込む
例:バックギャモン(バックギャモン、日本では一般的なゲームではないので、私としてはわかりにくい例です)

Week 4 Quiz: Adversarial Search and Games
前半は好調でしたが、後半間違いを重ねてしまい、得点はギリギリPassの60%でした。
ミニマックス法とα-β枝刈り法の設問は基本的なものが多かったものの、Utility/Eval functionに関するものや、Expectiminimaxに関する質問は該当の箇所の講義をしっかりと視聴していなかったため、得点できませんでした。

Week 4 Project: Adversarial Search and Games
Week 2と同様にPythonでのコーディングの課題です。やはり分量が多いので、どこかで時間を作ってWeek 2とまとめて取り組んだ方が良さそうですね。

Week 4 Discussion Questions
チェッカーというゲームのChinook(チノーク)というAIについて議論するのが課題になっていますが、グレードの対象外ですので、スキップしました。

2017年2月12日日曜日

CSMM.101x: Week 3: Heuristic Search

edX ColumbiaXのAI (CSMM.101x) Week3のまとめです。

今回取り上げられているヒューリスティック検索や前回の講義で取り上げられている、幅優先探索等を日本語で理解するためには、下記サイトを参照致しました。

ヒューリスティック探索
幅優先探索と反復深化
欲張り法 (greedy strategy)

3.1 Heuristic and Greedy Search Algorithm
前回説明されたUninformed Searchに対し、解に近づいているかどうかがわかるInformed Searchが今回の講義のテーマです。

最良優先探索(Greedy best-first search)、Aスター探索、反復深化Aスター探索がInformed Searchの例としてあげられています。

3.2 A* Search and Optimality
Aスター探索となぜ、それが最適な解を提示し得るかの説明がされています。

3.3 Search Algorithms Recap
ここでは、今まで説明された、BFS, DFS, IDS, UCS, A*, IDA*, Greedy best first search, A* Searchの各種アルゴリズムの特徴が説明されています。
ここまでの講義の最重要点ですので、別途まとめてポスト予定です。

3.4 Local Search (局所探索法)
局所探索法としてHill Climbing 山登り法の説明がされています。

Week 3 Quiz: Heuristic Search
ヒューリスティック関数の性質に関する質問で1問間違えたものの、他はすべて正解ができました。ヒューリスティック関数が許容的(admissible)かどうか、特定条件下で各アルゴリズムのcompletnessはどうか、といった設問が多かったです。

Week 3 Discussion Questions
ダイクストラ法と均一コスト法の比較を行っている下記論文が紹介されています。こちらも別途ポスト予定の探索アルゴリズムまとめで言及する予定です。

Position Paper: Dijkstra’s Algorithm versus Uniform Cost Search or a Case Against Dijkstra’s Algorithm
http://www.aaai.org/ocs/index.php/SOCS/SOCS11/paper/viewFile/4017/4357

技術とソフトウェア開発手法

FinTechとアジャイル開発をポストした後、ソフトウェア開発の手法に関する記事をいくつか読んでいたのですが、ITと哲学概念と言葉と課題と答え述べてきた私の考えとマッチするというか、よりわかりやすい説明が行われている記事を見つけました。

「現状のソフトウェア開発は間違っていないか?」(プロセス編) (1/3)
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0901/28/news151.html

上記の記事では(記事の執筆者が考える)ウォーターフォール開発の歴史が紹介されており、そこで「メインフレーム開発」という特定の技術と状況において使用され、かつマッチしていたと紹介しています。また、当時のシステムに対する要求というものが、そもそもシンプルであったことも指摘されています。

しかしながら、業務が変わったことにより今日の要求は複雑化するし、かつ技術もオープン系になっているため、必ずしもウォーターフォール開発の手法はマッチするわけではないというのは筆者の主張です。

さらには、要求(とくべき課題、what)とソリューション(how)の関係についても、必ずしもwhatからのみhowを考えるのではなく、howからwhatを考えるという双方向の視点も筆者は取り入れており、これが私がITと哲学概念と言葉と課題と答えで述べてきたことと相通ずるものがあると考える点です。

ある手法を歴史的背景、その手法が使用され始めた状況や技術を踏まえて批判的に分析し、強み弱みを捉えるのは、開発手法のみならず、他の様々なフレームワークを分析する上でも有用かと思います。

そんな中ふと、以前に読んだ三谷宏治『経営戦略 全史』を思い出しました。


「SWOT分析」、「プロダクトポートフォリオマトリクス」、「Fice Forces分析」等の分析ツールやフレームワークがどのように生み出され、使用されかつ批判継承されていったのかが理解できる良書です。ソフトウェア開発でも同様の本があれば読んでみたいです。

FinTechとアジャイル開発

大手金融機関がFinTechに取り組むにあたって、既存のビジネスラインの利害や意思決定のプロセスに左右されないように新規部署を設置して取り組むことが多いかと思います。

新しいサービスには新しい組織で臨もうということですが、であればツールとしての開発手法も従来のWater Fall型だけでなく、アジャイル開発の手法が適用されることも多いのではないかと。下記記事ははみずほ銀行が、アジャイル開発に取り組んでいるのを紹介しています。

「スマホで手軽に資産運用」の時代は訪れるか――みずほ銀行がアジャイル開発で取り組む「ロボアドバイザー」の今後 (1/2)
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1602/08/news020.html

私自身は、アジャイル開発のトレーニングも受けたこともありますし、開発チームをリードする上でスクラムの手法を適応したこともありますので、そのメリットも理解しているつもりです。金融機関であれば、システム開発のプロジェクトにおいては、アジャイル開発/スクラムの手法に関して知識を得ることは、必要不可欠と思いますし、該当のプロジェクトの特性やメリット、デメリットを考慮した上で、導入を試み試行錯誤を繰り返すというのも必須かと思います。

が、あらゆるシステム開発のプロジェクトにおいてアジャイル開発が適しているとは限らないですし、Water Fall型 vs アジャイル開発と、互いを対立させる視点から双方を理解するのもよろしくないかと思います。

といったことと考える中で従来のプロジェクトマネジメントについて色々検索していたところ、下記のブログをみつけました。

タイム・コンサルタントの日誌から
http://brevis.exblog.jp/

下記のような面白い記事が多いです。
プロジェクト・コミュニケーションのベーシック(2) ~ ドキュメント・インデックスを作る
http://brevis.exblog.jp/24715817/

スクラムといえば、以前に読んだ下記の本も非常に面白かったです。本書で紹介されている、FBIにおけるシステム開発の例が示唆に富んでいます。

2017年2月11日土曜日

Startupbootcamp in Vimeo

VimeoでFinTechと検索したところ、検索結果としてLondonにあるFinTechアクセレータのStartupbootcampの映像がいくつか表示されました。


ヨーロッパのFinTechスタートアップだけでなく、日本企業のBankGuardも紹介されています。
Startupbootcamp Fintech #sbcStartupOfTheWeek - BankGuard from Startupbootcamp on Vimeo.

2017年2月8日水曜日

米国と中国のAI特許

数の米国、攻める中国 AI特許6万件を解剖
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/ai-patent/

上記記事で取り上げられているように、特許出願の件数では米国が1位であるものの、伸び率では中国が1番となっています。一方、日本は出願件数では減少となっています。

驚いたのは、米国のAI関連論文のうち12.7%が中国の機関や個人との共著とのこと。2位の英国の5.1%との二倍強のパーセンテージですね。

一方日本は1.8%のみ。

AI特許出願及び論文の競争では日本は完全に出遅れている、ということでしょうか。

2017年2月5日日曜日

保険業界とFinTech 3: AXAグループの取り組み

保険会社とFinTechシリーズ、最後のポストです。

保険業界とFinTech 1: FinTechとInsureTech
保険業界とFinTech 2: ダイレクト系損害保険会社の財務諸表
保険業界とFinTech 3: AXAグループの取り組み

保険業界のデジタル化の現状と取り組みを例に、保険会社のDigitalizationでAXAが取り上げられることが多いです。

以下、上記レポートでAXAについて言及されている箇所のポイントをまとめます。
  • AXAは、アメリカのバークシャーハサウェイに次いで世界2位の規模お有する、フランスの保険グループである。2014年の総収入は1,612億ドルを超え、顧客数は1億人を超える。
  • 近年はDigital Transformationを最優先の戦略課題として掲げており、2013年から2015年間の3年間で9.5億ユーロの投資を行っている。
  • 同社のデジタル化の取り組みの要の組織として、AXA Lab、AXA Strategic Ventured, Data Innovation Labがある。
  • AXA Labは2013年10月にデジタル文化の醸成、イノベーションを主導することを目的にシリコンバレーに設置された組織である。トップテクノロジー企業等との関係構築や、テクノロジーに関する新規事業、タレントの動向をつかむことをミッションとしている。
  • AXA Strategic Venturesは、保険および資産運用、金融技術、ヘルスケア事業における イノベーション企業への投資を行うことをミッションとするベンチャーキャピタルであり、AXA Labをオフィスを共有している。
  • Data Innovation Labは2014年にパリに設置されたビッグデータ分析を専門とするチームである。顧客サービスや商品開発等のサポートを行っており、Kaggleで自動車てレマティクスのデータを用いたアルゴリズム開発コンペの実施をした。
下記はAXA Lab設立の際のアナウンスメントメッセージです。

Frédéric Tardy, Chief Marketing & Distribution of AXA Group announces the creation of the AXA Lab


また、AXAがDisruptiveなinnovationに対し、どのように取り組んでいこうしているかを説明するメッセージムービーもあります。

AXA partners with startups to develop disruptive business models


日本の保険会社ではSOMPOホールディングスがSOMPO Labを立ち上げ、同様にシリコンバレーに拠点を作成しています。

今後、保険会社がどのようにDigital Transformation/Innovationを起こしていくか、楽しみです。

FinTechでお年玉

FinTechで(通常の銀行振込ではなく、別のアプリケーションで)、お年玉をあげることについて。

会っていない子供にもFinTechでお年玉、さま変わりする韓国の旧正月
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/549762/020100129/

送金するだけでなく、いつ、誰から送金されたかの情報であったり、送金する方のメッセージを保管するサービスがあったらいいと思います。

おじいちゃん、おばあちゃんが孫にお年玉を送る際にちょっとしたメッセージ(テキスト、音声、動画)を添えたりで、孫が大きなってからそのメッセージを見返したりできるのは素敵なことじゃないかなと。

ジュニアNISA講座を開設している銀行等でも、このようなサービスを開始してくれたらと思います。

お金は色も形もないものですが、親や祖父母が自分の子や孫にお金を贈る際、何かしらの想いとともに贈るはずですし、そういったものを残して、あとから見返すことができるようなサービスがあってもいいんじゃないかと。

2017年2月3日金曜日

API管理ツール、OSSも登場

レッドハットのAPI管理システムでもとりあげましたが、FinTechの肝の一つでもあるAPI連携を支える技術として、API管理ツールがありますが、OSSも登場しているとのことです。

API管理ツール、OSSも登場して戦国時代へ
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/012500793/

上記記事で取り上げらえているKongのページはこちら。
https://getkong.org/

Webブラウザ上で開発環境の構築が行えるKodingで、Kongのトライアルが行えるとのこと。

Orchestrate Common FunctionalityでLegacy ArchitectureとKong Architectureが比較されています。ESB同様システム間の接続を一つのゲート経由で行うことによって、管理効率を高めようというのが狙いですね。となると、ESBの中の1コンポーネントとしてAPI Managementツールが管理できるのが、Architecture上望ましいかと思います。

社内外問わず、通信を行うのはAPIのみとも限らないので、「社内外の通信」全てを管理するツールとして、ESBを使用しAPIはその中の一ドメインとするのがいいのかと思います。

2017年2月1日水曜日

保険業界とFinTech 2: ダイレクト系損害保険会社の財務諸表

今回はダイレクト系損害保険会社の財務諸表をみていきます。

保険業界とFinTech 1: FinTechとInsureTech
保険業界とFinTech 2: ダイレクト系損害保険会社の財務諸表
保険業界とFinTech 3: AXAグループの取り組み

保険業界とFinTech 1: FinTechとInsureTechで取り上げたように、保険会社のイノベーションの度合いをコンバインドレシオから評価する方法があるあります。そこで損害保険会社の財務諸表をもとに比較を行っていこうと思うのですが、今回はダイレクト系損害保険傾斜に絞りました。

ダイレクト系にしぼった理由は、販売チャネルが通販、Webと限られていることから、比較がしやすいですし、また非ダイレクト系の損害保険会社と比べビジネスにおけるテクノロジーのインパクトが大きいからです。

さて、下記に2000年から2014年の元受正味保険料の推移のグラフが掲載されています。

ダイレクト自動車保険2016売上げランキングの比較
http://www.sonpo-direct.com/uriage.html

老舗のアメリカンホームダイレクトの減収や、ソニー損保のひとり勝ちなどがグラフからもみてわかるかと思います。

さて、コンバインドレシオ等の経営指標については、各社のウェブサイトに掲載されているディスクロージャー誌より集計を行ってみました。
下記、主要ダイレクト系損害保険会社のコンバインドレシオ、正味事業費率の推移です。

2011年から2015年までの数字をみますと、ソニー損保とアクサ損保の2社のみがコンバインドレシオ100%を常に下回っており、また事業費率も常に30%以内に抑えています。先の「ダイレクト自動車保険2016売上げランキングの比較」でも、この2社がランキングの1位、2位を占めており、それを裏付ける数字といえましょう。


コンバインドレシオ 2011 2012 2013 2014 2015
ソニー損保 89.00% 89.20% 84.90% 84.30% 84.80%
AXA損保 92.90% 88.30% 88.70% 85.50% 82.40%
チューリッヒ 113.70% 100.60% 102.60% 96.80% 112.60%
三井ダイレクト 98.80% 99.30% 97.00% 101.70% 100.90%
SBI損保 92.30% 103.20% 98.80% 100.40% 104.70%






正味事業費率 2011 2012 2013 2014 2015
ソニー損保 25.70% 26.00% 25.60% 26.70% 27.10%
AXA損保 24.10% 20.70% 21.90% 21.90% 24.10%
チューリッヒ 44.40% 37.50% 40.80% 40.90% 39.30%
三井ダイレクト 21.40% 20.70% 20.70% 22.80% 21.90%
SBI損保 44.00% 33.40% 26.40% 22.80% 18.60%

AXA損害保険はAXAグループの中の一社です。AXAグループは保険のイノベーションを語る際に、先進的な例として取り上げられることが多いのですが、次回「保険業界とFinTech 3: AXAグループの取り組み」でその詳細をみていこうと思います。

なお、損害保険会社の財務諸表の見方に興味がある方は、日本損害保険協会の下記ページをご覧ください。

損害保険会社のディスクロージャー かんたんガイド

国家戦略としてのFinTechの本質と全体像

FinTechの本質と全体像を理解する上で、森・濱田松本法律事務所の増島雅和氏がStartup Innovatorsに掲載されているFinTechに関する記事がおすすめです。

概要をまとめると、以下のようになります。
  • FinTechにより、他業界(音楽、出版)でおきていた技術より、ビジネルモデルの変化、プレイヤーの変化が起きる。
  • 他業界と異なるのは、金融は産業の基盤であり国力の源泉となるので、国家戦略として規制を考えなくてはいけない。
  • 他国も自国の国力を増進させるように規制作りを進めるので、国際金融規制においてルールメイキングにおける競争がおこる。
  • 日本国内では、国内のルールメイキングを行うプレイヤーが揃いつつある。
以下、主要な記事毎のまとめです。

FinTechの正体
FinTechの本質と日本におけるFinTechの挑戦(前編)
FinTechの本質と日本におけるFinTechの挑戦(後編)

まずは、「FinTechの正体」のポイントをまとめてみます。

  • 現在おきているFinTechの潮流は、これまで音楽や出版等の他業界に与えたのと同様、該当業界以外からのイノベーターが出現し、既存の金融機関は後塵を拝しつつある。そのイノベーターはこれまでの金融機関とことなる事業モデルやサービスで競争に参入してきている。
  • 金融業というのは、リストを移転ないしは仲介するビジネスである。そのため金融商品、サービス設計にあたってリスク情報生産/管理を行うのが、そこに事務コストがかかり、商品/サービスを設計する上での制約となっている。
  • 技術の進歩により、リスク情報生産/管理を行うコストは劇的に下がっており、コスト削減だけではなく、金融商品/サービスの設計をも劇的に変えうる。
  • ユーザ/消費者が欲しいのは、ローンや保険ではなく、家/車/安全で健康の生活である。ローンや保険等の金融サービスは手段でしかない。
  • 日本国としては、他国に先駆ける形で、FinTechに関する規制改革と運用の枠組みを要し、自国の事業モデルの確立が必要。海外の金融業者が国内を席巻するという事態を招いてはならない。

続いて、「FinTechの本質と日本におけるFinTechの挑戦(前編)」のポイントをまとめみます。
  • FinTechの歴史としてはリーマンショックが起源。需要サイドとしては、リーマンショックによる金融収縮の結果、金融サービスを受けられなくなった個人、中小企業がalternativeな金融を求めるようになっていった。また供給サイドとしは、解雇された金融機関のIT部門のエンジニア達が新しいサービスを立ち上げはじめた。
  • FinTechスタートアップ会社は金融をレイヤー毎(インフラレイヤー、プラットフォームレイヤー、アプリケーションレイヤー)に捉え、それぞれのレイヤーを置き換える技術によってビジネスを進めている。
最後に、FinTechの本質と日本におけるFinTechの挑戦(後編)」のポイントです。
  • 金融は産業の基盤であり国力の源泉であるため、Google, Facebookのように国内マーケットを海外勢に席巻されるわけにはいかない。
  • 金融規制を考える際は産業全体や国益を守るために、どのように規制をしていくかという議論が必要。
  • FinTechに関し、先進諸国は自国の国力増進のために、国際金融規制において政治力を行使しようとする。国際金融規制のルールメイキングでは、お互いの国力増進のために国同士で競争が起こる。
  • 既存の規制の枠組みのなかでTry & Errorが可能になるレギュラトリーサンドボックスという手法が、現在各国当局によって試みられている。
  • FInTechの規制や枠組みを定めるために、①政府、②政治家、③金融機関、④ベンダー、⑤スタートアップといったプレイヤーが必要。
  • 金融機関では、全銀協、地銀協、証券業協会、生保協、損保協などがカウンターパートになる。

2017年1月30日月曜日

概念と言葉と課題と答え

答えが問いを待っている(技術が課題を待っている)を読み、ITと哲学で私が考えている「ソリューションから課題を考える」という方法も有用に思う方は他にもいらっしゃるよね、ということを認識致しました。

以前、edXで受講した"User Innovation"というコースでも、(Re)frame your problem to fit your skillと、課題ありきというよりは、ソリューションを前提に課題を捉え直す(Reframe)するといったことが説明されていました。

User Innovation: A Path to Entrepreneurship | MITx on edX | Course About Video

CSMM.101x: Week 2: Intelligent Agents and Uninformed Search

edX ColumbiaXのAI(CSMM.101x) Week2のまとめですPythonコーディングの課題、なかなかの分量がありそうです。。。

日本語訳にあたっては、下記を参照しました。これもエージェントアプローチ人工知能 第2版をテキストとしており、購入したいところですが、いかんせん高すぎます。。。

Chapter2 intelligent agent(知的エージェント)
http://www.slideshare.net/soichiroinatani/chapter2-intelligent-agent

知的エージェント
http://www2c.comm.eng.osaka-u.ac.jp/~babaguchi/aibook/agent.pdf

2.1 Intelligent Agents
最初にAgentの定義が述べられています。

An agent is anything that can be viewed as:
 - perceiving its environment through sensors and
 - acting upon that environment through actuators


「センサーを通し置かれた環境を知覚し、その結果に基づき行動をおこすものをエージェントとする」といったところでしょうか。

Environment (環境のタイプ)
Deterministic (vs. stochastic)
Episodic (vs. sequential)
Static (vs. dynamic)
Discrete (vs. continuous)
Single agent (vs. multi-agent)
Known (vs. Unknown)

エージェントのタイプ
Simle reflex agents (単純反射エージェント)
- select an action based on the current state only ignoring the percept history
- are simple but limited
- can only work if the environment is fully observable, that is the correct action is based on the current percept only

Model-based reflex agents (記憶をもつ反射エージェント)
- handle partial observability by keeping track of the part of the world it can't see now
- have internal state depending on the percept history (best guess)
- have model of the world based on (1) how the world evolves independently from the agent and (2) how the agent actions affects the world

Goal-based agents (ゴール主導エージェント)
- are knowing the current state of the environment is not enough. The agent needs some goal information.
- combine the goal information with the environment model to choose the actions that achieve that goal.
- consider the future with "What will happen if I do A ?"
- are flexible as knowledge supporting the decision is explicitly represented and can be modified.

Utility-based agents (効率主導エージェント)
- sometimes achieving the desired goal is not enough. We may look for quicker, safer, cheaper trip to reach a destination. 
- agent happiness should be taken into consideration. We call it utility.
- a utility function is the agent's performance measure
- because of the uncertainty in the world, a utility agent choses the action that maximizes the expected utility.


2.2 Search Agents
サーチエージェントを用いることによって、現実世界での問題解決を行うことができるものがある。例:カーナビ

State spaceとsearch spaceの違い
State space: a physical configuration
Search space: an abstract configuration represented by a search tree or graph of possible solutions

探索木
- Root: initial state
- Branches: actions
- Nodes: results from actions. A node has: parent, children, depth, path cost, associated state in the state space.

探索空間は下記の三つに分類できる
1. Explored (a.k.a. Closed List, Visited Set) 探索済み
2. Frontier (a.k.a. Open List, the Fringe) 次に探索するもの
3. Unexplored: 未探索

Search strategies
* A strategy is defined by picking the order of node expansion
* Strategies are evaluated along the following dimensions:
- Completeness: Does it always find a solution if one exists ?
- Time complexity: Number of nodes generated / expanded
- Space complexity: Maximum number of nodes in memory
- Optimality: Does it always find a least-cost solution ?

* Time and space complexity are measured in terms of:
- b: maximum branching factor of the search tree (actions per state)
- d: depth of the solution
- m: maximum depth of the state space (may be infinite ) (also noted sometimes D).

2.3 Uninformed Search
1. Breadth-first search (BFS): Expand shallowest node
2. Depth-first search (DFS): Expand deepest node
3. Depth-limited search (DLS): Depth first with depth limit
4. Iterative-deepening search (IDS): DLS with increasing limit
5. Uniform-cost search (UCS): Expand least cost node

2.4 Uninformed Search Examples
BFS, DFS, UCSを用いて、どのように問題解決を行うのか、具体例とともに説明されている。

Week 2 Quiz: Uninformed Search
Uninformed Searchは知識なしの探索、知識を用いない探索と訳されるようです。
無知識探索だとニュアスンが異なるので、訳語として使用されていないんでしょうか。
AI agentの定義や、各探索アルゴリズムの特徴、探索アルゴリズムを用いた場合のグラフの読み解き等の設問がweek 2のQuizです。

DFS, BFS, UCSに関する設問は基本的特徴を答えるもので、難しくはありません。

与えられたグラフからポイントAからBに至るまでの道筋を、DFS, BFS, UCSを使用して回答する問題に関しては、実際に手を動かしながら回答するため、難しくはないものの手間がかかりました。

Week 2 Project: Search Algorithms
n-パズルゲームを解くコードをPythonで実装します。デットラインまで時間があるので、時間があるときにコーディングしてみます。

Week2: Discussion Questions
DQ1:
ダイクストラ法(DA)とUCSの違いについて説明されています。
なお、このアーティクルの筆者としてはUCSがほとんどの局面でDAより優れているので、DAを大学等で教えるのはもう止めては、と提言されています。
http://www.aaai.org/ocs/index.php/SOCS/SOCS11/paper/viewFile/4017/4357

DQ2:
お掃除ロボットがどのように機能しているかを学ぶために、下記の記事が紹介されています。
http://electronics.howstuffworks.com/gadgets/home/robotic-vacuum.htm
Roomba Redにどのようなセンサーがあるのか、そのセンサーを通し環境をどのように知覚し、お掃除を行っているのかの説明がされています。

https://blog.niallconnaughton.com/2016/01/25/roomba-algorithms-and-visualization/
http://robotics.stackexchange.com/questions/628/what-algorithm-should-i-implement-to-program-a-room-cleaning-robot
こちらの二つの記事はお掃除ロボットが最適なパスを見つけるためのアルゴリズムについて議論がされています。牛耕式 boustrophedon(日本語の発音ブストロフェドン)って言葉、日本語/英語ともに初めて知りました。

竹中工務店、消費電力管理のために機械学習を利用

竹中工務店、機械学習で予測誤差3%以下に
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/012500011/012500001/

「次回は、Azure MLの利用料が高く付き、それをどう乗り越えたかについて紹介する」と締めくくられています。利用料を上回るコストがカットできなければいけないでしょうし、どのように乗り越えたか気になります。

2017年1月28日土曜日

小島寛之『文系のための数学教室』 

積読状態だった小島寛之『文系のための数学教室』を読み直し、本日読了しました。



別途「社会人のための数学(再)入門」というページを作成しようと考えていまして、今手元にある数学入門書を読み漁っています。

私自身は志望大学の学部が文系だったため、高校で数学に関しては必要最低限しか勉強しておりませんでした。IT部門で働くにあたって必要となる数学的知識に関しては基本情報技術者試験受験の際に学んだもののみで、仕事に直結しないものの高校数学を学び直し、可能であれば大学レベルの数学も勉強したいなと考えていました。

そこで、下記のような数学入門本を購入し、読みかけては放り出したりしていたのですが、『TensorFlowで学ぶディープラーニング入門』で、その仕組みを根本から理解するには、やはり数学は必要不可欠だなと改めて思うに至り、仕切り直しでこれらの本を再読しはじめた次第です。

小島寛之『文系のための数学教室』
小島寛之『世界を読みとく数学入門 日常に隠された「数」をめぐる冒険』
矢野健太郎『数学の考え方』
吉田洋一・赤攝也『数学序説』
岡部恒治・本丸諒『まずはこの一冊から 意味がわかる微分・積分』

今回は小島寛之『文系のための数学教室』を取り上げ、他のものも読了したら、「社会人が数学を勉強しなおすにあったて、どの本がいいか、どのような方法がいいか」といったことを考えたいと思います。

まずは、タイトルにある「文系」という言葉に関しては、下記の方々と同様の考え方を私はもっています。大学受験等の制度は別の議論として、人を「文系」「理系」で分けるのは、あまり意味がないというか、むしろ害があるのではと。
(ちなみに同様に、右脳派、左脳派で分けるのみ意味がないと考えています)。

文系か理系かに分ける意味はない
http://fukaihanashi.hatenablog.com/entry/2016/07/28/150019

文系理系で人を分けるのは残念な人に見えるからやめた方が良い
http://www.02320.net/thinking-patterns/

とはいうものの、自身が受けてきた教育を「文系/理系」と分けることは一程度できるでしょうし、私自身もですが「文系教育」を受けてきた人にとって『文系のための数学教室』はお勧めの本です。(なお、著者の小島寛之氏も人の脳/考え方が文系/理系にデジタルに分かれるのではないはずと序章で述べています)。

「社会人のための数学(再)入門」という枠で本書を、私が位置付けるとしたら下記のようになります。
「一つ一つの概念について基礎から理解するよりも、その概念に関わる具体例や活用用法のfactを知る。そして、概念について根本から理解する際に、そのfactを援用する」小島氏の説明に従うと「数式を頭の中でなんらかの具体的なイメージに置き換える」ということです。

そのため、一つ一つの数式については、説明が省略されているところもあり、「なぜ、そうなるのか」と疑問が残ったままになります。数学入門書系の本を読んでいて、「であるからして、〜になる」と説明されているときの、「であるからして」が全く知識がない人にとっても理解できる程に十分にstep by stepに分解されていないと、このように「なぜ、そうなるのか」と理解できないケースが多いのですが、本書にもそのような箇所はあります。

別途、吉田洋一・赤攝也『数学序説』も読み進めているのですが、こちらでは、step by stepの説明の分解の粒度がかなり細かくなっており、時間はかかるものの「であるからして」の流れが明瞭に理解できるようになっています。

そういうこともあり、『文系のための数学教室』に関しては、現時点で自分がもっている知識によって、理解できるものと理解できないものがありました。

下記が本書の目次なのですが、序章の微積分や第1章、3章、4章は理解が進んだものの、第2章については、あまり理解できていません。他の入門書も読みながら気付いたのは、総じて私自身は代数については理解しやすいものの、幾何については理解しにくい、ということです。プログラムを書く中で、事象をy = f(x)の形に落とし込むのに慣れているので、代数については理解がしやすいのかなと思います。

序章  棒グラフで微分積分読解術
第1章 日常の論理と数学の論理
第2章 「距離」を規制緩和する話
第3章 民主主義を数学で考える
第4章 神の数学から世俗の数学へ
終章  数学は<私>のなかにある

とはいうものの、目次からもわかるように数式を理解するための「具体的なイメージ」がふんだんに説明されていますので、文系教育を受けてきた方で、もう一度数学を勉強し直したいと思っている方にはお勧めの一冊かと思います。

RegTech 規制のためのテクノロジー

規制のためのテクノロジーをさす「RegTech」という言葉が、昨年より注目され始めてきています。

新しいFinTechか? 「RegTech」が変える金融規制
https://innovation.mufg.jp/fintech/107

RegTech
http://fis.nri.co.jp/ja-JP/service/keyword/2016/201609.html

上記のNRIの記事では、「RegTechをFinTechのサブセットとする」という英国金融規制当局のRegの定義を紹介しています。
RegTech is a sub-set of FinTech that focuses on technologies that may facilitate the delivery of regulatory requirements more efficiently and effectively than existing capabilities. https://www.fca.org.uk/publication/feedback/fs-16-04.pdfより 
RegTechにより、規制の実装を技術で行えるようになると金融庁の検査業務等も効率化されていくことになるんでしょうか。

業務データをなんらかの方法でメタ化して「被検査データ」を作成し、金融庁はまずその「被検査データ」から確認していく、という方法もありうるのかなと思います。

また、社内のガバナンスとしても活用できるかと。例えば、支払い業務のデータから、決裁日時、決裁者の役職、金額、支払先の口座種別(口座タイプから、国内/国内銀行か)といったことを決められた形式でメタ化できると、「特定の日決裁者が非営業日に決裁を行っている支払いが多い」といったことをデータ分析で簡単に行えるのではないかと思います。

あとは、社内にあるデジタル文書、Email等もすべてガバナンスのためのデータとすると、データ分析の技術を用いて「不正しそうな徴候」が検出できたりするのではないでしょうか。もしくは不正がおきたときに特定のパターンを抽出し、該当パターンと似た事象が発生した際に、不正防止のためのアクションを取り得るといったこともありえるのかと。

日本証券協会 FinTech報告書

日本証券協会がFinTechに関する報告書をとりまとめました。

「証券業界とフィンテックに関する研究会サーベイグループ」報告書
http://www.jsda.or.jp/shiryo/houkokusyo/fintechsg20170127.html

下記が報告書本文です。
http://www.jsda.or.jp/shiryo/houkokusyo/files/fintechsurveygroup20170127.pdf

気になったポイントをいくつか取り上げます。

まずはレポートに締めくくりで説明されている、「現在の日本の証券市場で、フィンテックを促進する意義」ですが、下記のようにまとめられています。
1. 国民の安定的な資産形成
2. リスクマネーの供給
3. 国際金融センターの形成
1と2については、コインの裏と表というか、一つの事象を二つの異なった側面から説明していることかと思います。伝統的な証券会社ではリーチできていなかった消費者が、Mobile Appやウェブを通した新しいサービスを利用し、株やファンドに投資を始めると、結果として、市場にリスクマネーを供給することになります。

続いてFinTechという潮流のきっかけの一つとして、リーマンショック以降の人材の流動化が挙げられています。FinTechの歴史が語られる際に、下記のように金融機関からスタートアップへの人材に移動が言及されることが多いのですが、実際にどれくらい移動したのか統計データなどあれば見てみたいです。
金融危機により、金融商品の開発、トレーディング、金融機関の IT オペレーションなどに関わってきた人材が大量に流動化し、ICT 産業やベンチャー企業に流入している。ある意味では、金融業界から他業界へ移っていった人材やアイデアが、さまざまなイノベーションと結びつくことによって、外部から金融を揺り動かそうとしているのが、フィンテックによる潮流と解釈することもできよう。(2頁)
本報告書の面白い点は、現在存在しているFinTechに関する技術、サービスを逐次的に取り上げれているのではなく、下記のようにそのようなイノベーションが現在のシステム(体制としてのシステム)や概念をも変貌させるかもしれないことを見据えている点です。
さらに、ICT 分野を中心に、さまざまなイノベーションが継続した場合、今後 10 年などの中長期的スパンで見れば、経済システム自体が、大きく変貌するかも知れない。例えば、仮説として、「契約・信用経済からネットワーク経済へ」「私的財産権から共同利用権へ」 「貨幣を媒介しない取引(市場外取引、物々交換)が重要になる」「個人・法人・市場の境界線が消滅し『株式会社を創る』理由が問い直される」といった予測が提示されている1。実際、ウーバー・テクノロジーズ(Uber、配車アプリ)が単にタクシー業界だけでなく移動手段の考え方自体を革新し始めていることや、エアビーアンドビー(Airbnb、民泊予約サイト)が宿泊や不動産保有という考え方に大きな影響を与え始めていることは、こうした仮説が荒唐無稽な未来予想図とはあながち言えないことを物語っている(3頁)。
第三者(国家や中央銀行)に担保されない貨幣を作ろうという思想が根本にある、ブロックチェーン技術も上記の例の一つでしょう。

下記では、各所で語られていることですが、FinTechはコンテンツ産業等の他業界がテクノロジーによって変化したのと同様、バリューチェーンがアンバンドルされる可能性について言及しています。
【バリューチェーン再構築の可能性】
上記の要素技術によるイノベーションに加えて、人工知能(AI)・ビッグデータ革命などが進展した場合、証券業務におけるバリューチェーンが分解(アンバンドル)され、他の業態・産業セクターも含めた提携・M&A などを通じて再構築(リバンドル)される可能性もある。その過程で起こり得るステップは例えば以下のような流れが考えられる(13頁)。
事実、LINE、DeNA、Amazon、Softbankといった、顧客とのとチャネルを強みとしてしる非金融企業が金融サービスを提供し始めていますし、間違いなくアンバンドルされていくでしょう。

最後に、下記ではNasdaqは開発したシステムを他国で展開するなど、ITベンダーのような取り組みも行っているとのこと。日本取引所も同様の取り組みを行っていくのか、気になります。
米国では、2015 年 12 月、Nasdaq がブロックチェーン技術のスタートアップ企業である Chain と提携して Nasdaq Linq を開発した。これは、株式を公開していない企業の従業員が報酬として与えられた未公開株式を取引できるようにする市場である Nasdaq Private Market の中の株主管理システムの部分をブロックチェーン・ベースの Nasdaq Linq で行うもので、従来は 3 日必要であった取引成立から決済までの期間が 10 分程度に短縮するといった効果がある。Nasdaq は、取引所としてブロックチェーン技術を取り入れる試みを行うと同時に、開発したシステムをエストニアでも展開するなど、IT ベンダーのような取り組みも行っている。

レッドハットのAPI管理システム

レッドハットがAPI管理サービスの提供を始めたとのことです。
「アクセスに利用料を課したり、通信を制限したりできる。」とのこと。

レッドハットがAPI管理システム、既存システムのデジタルビジネス活用を推進
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/012700265/

複数の企業とAPI連携を行う際に、企業Aにはプログラム1,2,3だけ、企業Bには1,2,3の他に4と5といったケースが出てくると思うのですが、それを基幹システムではなく、このようなAPI管理サービスで実装できると便利ですし、セキュリティ上も、アーキテクチャー上も望ましいでしょう。

また、アクセスに利用料を課すというのはコール数のカウントができたりするのでしょうか。なんにせよ、API連携が増えていくことを考えると重要なサービスの一つになりそうです。

2017年1月26日木曜日

InsurTechとLemonade

森・濱田松本法律事務所の増島雅和氏がInsurTechの本命として、アメリカのLemonade社を紹介しています。

InsurTechの本命、Lemonadeのビジネスモデル

Lemonadeのページをみてみたものの、増島氏が説明されているようにB-Corpが引き受主体となっているかどうかはわかりませんでした。Appをダウンロードするなどして、別途他の情報を確認すればわかるのかもしれないですね。

ただ私が調べてみる限り、B-Corpという会社が存在するのではなく、B Labという非営利組織が管理している「社会的企業」の認証制度のようです。そしてLemonadeはB-Corpとして、「社会的起業」認証されているようです。

B Cooperationのウェブサイト
https://www.bcorporation.net/

WiredではB Lab立ち上げの経緯が説明されています。

WHY BE "B"? B-Corpという挑戦
http://wired.jp/special/2017/b-corp/

Lemonadeのポイントとしては「予定していた損害率と実際の損害率に差があった場合に、その分のお金を契約者に還元しますよ」といったところでしょうか。

貯蓄性の保険において、予定と実際の事故(損害)率、事業費率、利率から生まれる3利源(危険差(死差)、費差、利差)をもとに契約者配当を行う会社はありますが、掛け捨ての損保系の保険で予定と実際の損害率を差をもとに、契約者配当を行っているのは聞いたことがないですね。

なお、事業費については下記のように20%とFixにしているようです。日本の大手損害保険会社が30%、ダイレクト系の損害保険会社でも事業費率は24,5%のところが多いことを考えると、低いコストで経営できるようになっているのでしょう。ただ、アメリカの損害保険会社の事業費率がどれくらいなのかわからないので、20%が「低い」のかどうか判断に困ります。
Q: How are you using my premium dollars?
Glad you asked! Lemonade keeps a fixed 20% fee. This pays for developing loads of cool tech, paying our team's salaries and hopefully making some profit!
The remaining 80%?
Job #1 is to ensure we can always pay claims
Job #2 is to Giveback money that isn’t needed for Job #1. 
保険に加入するにあたって電話での提供は行っておらず、WebとMobile appに絞っているのも、事業費を抑えられる一因でしょう。支払い方法についてもクレジットカードとデビットカードになっておりますし、不要なオペレーションが発生しにくいように仕組みが作られていると思います。
Q: Can I sign up by phone?
Lemonade will be available for signup only through our mobile apps and our website.
増島氏の説明では、保険の引受査定(Underwriting)を再保険会社にアウトソースしているようです。保険金の支払い(Claim)の損害調査は間違いなくアウトソースされているようですし、バリューチェーンにおいてLemonadeが担っているのは、商品開発、ディストリビューション、リスク引受と資産運用といったところでしょうか。

日本の保険会社のようにディスクロージャー誌がでるようでしたら、是非詳細にみてLemonadeのビジネスモデルを詳しく知りたいです。

*なお別途ポストしますが、増島氏がまとめられているFinTechに関するレポートが、FinTechの本質を理解するにあたって非常にわかりやすかったです。

金融会社のデジタル戦略、デジタルイノベーションについて

昨年より、銀行や保険会社等の金融会社でデジタル戦略や、デジタルでのイノベーションを担当する部署が新設されてきています。

新設される部署のJob Descriptionは何かな、ということを考えてみました。

部署を新設しないまでも、金融会社は誰かに下記のようなJobをアサインし、実行していく必要があるのかなと思います。

Objectives
テクノロジーの発達に伴う現在及び将来の消費者のライフスタイルの変化を見据え、デジタルの観点から自社の戦略を立案し、推進する

Outcome
デジタル化による収入増(新規顧客獲得、upセル、crossセル)
デジタル化による販管費減 (作業自動化等)

Output
1. デジタル戦略の立案(どの分野に投資して競争優位)
2. テクノロジーポートフォリオを中心としたレポートの作成
3. POCを実施し、各部門へのImplementationを提言
4. デジタル化に関するセミナー、トレーニングの開催

Research
1. テクノロジーポートフォリオの作成:テクノロジーベース、バリューチェーンベース、課題ベース、財務指標ベース、ベンダーベース

Open innovation
スタートアップ企業、他社、研究所との連携や共同でPrototypingや実証実験を実施

Development
POC
Prototyping

Stakeholder communication
1. ビジネスとカスタマージャーニー/エクスペリエンス、顧客管理について協議
2. オペレーション部門とデジタル化によるコスト減について協議
3. 情報システム部と既存システムとの整合性、integrationについて確認
4. エバンジェリストとしてセミナー、トレーニングを各部門に対し開催

東京海上によるブロックチェーン実証事業実施

東京海上がブロックチェーン活用の実証事業を実施するとのことです。Planetway社のavenue-crossという技術を使用し、実証事業を行うとのこと。

ブロックチェーン技術の活用領域拡大に向けた実証事業を開始
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/170124_001.pdf

Planetwayという会社、聞いたことがないのでウェブサイトなどで見てみると、2015年に日本人によってシリコンバレーに設立されたスタートアップのようです。

下記でavenue-crossの説明がされています。
http://pwlvc.com/jp/business/avenue.html

「15年間におよぶ電子政府国家エストニアの政府インフラを民間応用」とあるようにエストニアで使用されている技術を応用したもののようです。

Planetwayの取締役にエストニア経済通信省に勤めていたラウル・アリキヴィ氏がいますし、エストニア企業とPlanetwayのパートナーシップ発表においてもエストニア政府CIOのメッセージがありますから、エストニアとかなり強い関係を持っていることかと思います。

エストニア政府 CIO(最高情報責任者)ターヴィ・コトカ氏(Mr. Taavi Kotka)2015年11月13日 TAKT記者会見メッセージ
http://cortanavideo.top/index.php?a=watch/5sYah9QCmpo

avenue-crossの特徴として「beyond API」が挙げられているのですが、技術的にどんな点でAPIをbeyondしているのかを知りたいところです。

Planetwayは交通事故予防サービスのアイディアでスタートアップ育成プログラムで受賞などもしていますし、気になるスタートアップの一つです。

IBM® BlueHubの「Open Innovation Initiative For Automotive/Healthcare」で『Avenue-Cross』を活用したサービスプランが最優秀賞・審査員特別賞を受賞
http://pwlvc.com/jp/infomation/press_release/20161209_001.html

2017年1月24日火曜日

ガートナー、人工知能 (AI) に関する10の「よくある誤解」を発表

ガートナー、人工知能 (AI) に関する10の「よくある誤解」を発表
https://www.gartner.co.jp/press/html/pr20161222-01.html

この記事を読んでAIに関するよくある誤解というか前提として考えなくてはいけないこと今回は取り上げてみたいと思います。

1. アウトカムを明確にする
どんなにAI(のなかの機械学習)を駆使したとしても、分析結果がトップラインなりボトムラインに影響を与えないのならば、分析のための分析になってしまい、意味がないのではないでしょうか。

データが豊富にある場合「まずはなにができるかをも考えるために分析してみよう」というのはきっかけとしてはいいのかもしれませんが、その際も売上向上、コスト削減といった明確なゴールを設定した上で分析を開始するべきでしょう。

2. Garbage in, Garbage out
正しくないデータでどんな分析を行っても、出てくる分析結果は正しくなりえません。

データ分析について語るとき、分析のソースとなる「データの正しさ」や「正しさを保つための業務フロー」について議論されることが少ないかなと思います。例として、下記のようなことを考えなくはいけないかと。

1. データが取得/入力されるアプリケーションはそもそも正しくデータを保存しているか。郵便番号入力が頭0が桁落ちしてしまう等の問題が発生していないか。

2. 「正しくないデータ」が入力されてしまった場合に、それを検知するシステム/業務は構築されているか。正当性チェックのプログラムを組んだり、それをしかるべき人間(データオーナー等)が確認できるようになっているか。

3. マスターデータの整合性は保たれているか(グループ企業間でも商品とのマスターデータの持ち方が異なる場合がある)

4. データやその分析結果のオーナーシップやアカウンタビリティをもつ部署を明確にする

金融企業でデータ分析を専門に行う部署ができておりますが、分析がビジネスにおいて価値を発揮し続けるためには上記のようなことを考えておかないと、Garbage in, Gabage outになってしまうかと思います。

下記でもAIを活用したいと考える前に、解決しなければならない課題が説明されています。
金食い虫の「機械学習」と実用に堪えない「ディープラーニング」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/122700311/011700003/

ライフネット生命保険 LINE, Facebook Messengerでのボット導入

ライフネット生命保険がLINEでのFacebook Messengerでのボットを使用した自動応答による保険診断と見積もりを実現するサービスを提供とのことです。

ニュースソースはこちら
http://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/170123.html

ボットを構築するにあたっては、トランスコスモス提供先のReply, incのボット構築用プラットフォーム「Reply.ai」を使用するのこと。

Reply.ai(https://www.reply.ai/)のページをみてみると、Visual Bot Builder、Analytics、Integrate with your backendといった機能が充実していて便利そうです。

ボットとはいっても、どのように顧客とコミュニケートするのか(どのような質問をなげかけ、また選択肢を示すのか)といった点は最初は人の手で設計する必要があるでしょうし、後からの変更が発生することも考えるとVisual Bot Builderのように、プログラミングレスで変更可能な機能が提供されているのは便利ですね。

また、コアの業務ロジック、ビジネスロジックが必要になる場面でも、Integrate with your backendを使用されば、そのロジックが実装されているシステムからコールできるということでしょうか。(Reply.aiで出来るかどうかはわかりませんが)ボット側に不必要に業務ロジックを実装する必要がないのは、アーキテクチャー上も好ましいデザインなのかなと思います。

他にbot integrationサービスを提供する会社がないかググってみましたが、Gupshup(https://www.gupshup.io)しか見つけられませんでした。ドメインからわかるように、インドの会社です。Reply.aiの"Visual Bot builder"と同様、"Flow Bot Builder for non developers"があります。

2017年1月19日木曜日

保険業界とFinTech 1: FinTechとInsureTech

保険業界とFinTechの関わりについて、3回にわたって考えていきたいと思います。

保険業界とFinTech 1: FinTechとInsureTech
保険業界とFinTech 2: ダイレクト系損害保険会社の財務諸表
保険業界とFinTech 3: AXAグループの取り組み

今回はFinTechとInsureTechについて。保険領域におけるFinTechの動向にて、InsureTechについて説明されています。
InsurTech(Insurance×Technology)と呼ばれる新たなサービスが生まれ始めている。InsurTechは、図表に示す通り、大きく2つの形態に区分することができる。1つは、「テクノロジーに裏付けられた新たな保険商品の提供」。もう1つは「保険に関する新たな価値・経験の提供」である。
2015年頃までは「保険のDigitalization」という表現で表現されていた分野ですね。Digitalizationで議論されたいた頃よりもより注目されている分野としては、「データ分析に基づいた保険商品の提供」及び、「業務の自動化におけるAI」の役割、といったところでしょうか。マーケティングのためのバズワードとしてInsureTechと表現したくなるのもわからないのではないですが、「保険のDigitalization」という表現のままでいいのかなと思います。

 保険業界の中でも生命保険会社よりは損害保険会社がよりInsureTech/Digitalizationの影響をうけることかと思います。過去に何回か「保険におけるInsureTech/Digitalization」というセミナーに参加したことがありますが、保険の商品別でいうと、自動車保険、火災保険等住宅に関する保険、医療保険に関するものがほとんどです。

 生命保険会社としても医療保険には関わるものの、いわゆる生命保険(死亡保険)については、他商品に比べるとInsureTech/Digitalizationのインパクトは少ないかと思います。生命保険(死亡保険)の商品として特徴上、1年更新の自動車保険等と異なり、顧客(保険契約者、被保険者)とコミュニケートする回数、チャネルが少ないのが理由かと思います。

 さて、保険会社のイノベーションの度合いを「顧客が求める新しい保険会社像――顧客中心志向の保険経営とそれを支えるIT」では、事業費率を指標として考察しています。下記が該当の箇所です。
 海外では、すでにデジタル技術などを活用する保険業界のイノベーション企業が出現しています。では、日本の保険会社と海外の保険会社、そしてイノベーターとは何がどの程度異なっているのでしょうか。そこで、コンバインドレシオと呼ばれる保険会社の比較指標を見てみました。コンバインドレシオとは、事業費率(経費/保険料収入)と損害率(保険金支払い/保険料収入)を加えた値ですが、日本の保険会社はグローバル企業に比べ、事業費率が高いのが特徴です。グローバルではどこも30%未満ですが、日本だけは30%を超えています。これは、日本の保険会社における人件費の高さ、オペレーション標準化の遅れ(無駄が多い)、ITシステムの維持費の高さ、マネジメントの意識(必ずしも経営のプロではない)などに起因する部分が多いとのことです。さらに、通販チャネルを活用するイノベーターと比較すると、事業費率は10ポイント以上も差があり、何らかの手を打たねばならないとも付け加えました。
ということで損害保険会社の事業費率について次の「保険業界とFinTech 2: ダイレクト系損害保険会社の財務諸表」で取り上げます。

2017年1月18日水曜日

CSMM.101x: Week 1: Introduction to AI, history of AI, course logistics, and roadmap

edX ColumbiaXのAI(CSMM.101x) Week1のまとめです

Week 1: Introduction to AI, history of AI, course logistics, and roadmap

参考書としてArtificial Intelligence: A Modern Approachが紹介されていますが、中古のpaper backで60ドル以上。。。。購入見送りです。他に読むべきものとして、Is artificial intelligence permanently inscrutable ?が紹介されています。

1.1. Overview of AI
このコースで採用するAIの定義として下記を紹介しています。
"The study and design of intelligent agents, where and intelligent agent is a system that perceives its environment and takes actions that maximize it chances of success. " by Russel and Norvi AI book

その後、AIとは何かと考えるにあたって4つの学説を紹介しており、本コースでは4番目のActing rationallyの考えに則ると説明しています。
1. Thinking humanly
2. Acting humanly
3. Thinking rationally
4. Acting rationally

1.2 Applications of AI
AIが応用されている下記の分野について、具体例とともに説明がされています。
Speech recognition, Handwriting recognition, Machine translation, Robotics, Recommendation systems, Email, Face detection, Face recognition, Detection of breast cancer in mammography image, Chess, Jeopardy, Go, Autonomous driving
囲碁のことGoっていうですね、知りませんでした。

1.3 AI foundation and history
AIの基礎となる諸学問が紹介されています。例:哲学、数学、経済学、脳神経科学、心理学、コンピュータ・エンジニアリング、サイバネティクス、言語学等。その後AIの歴史を4つの区分で説明しています。ポイントは1956年のDartmouth会議で、初めてAIという造語が使用されたということです。

1940-50: Gestation of AI
-Boolean circuit to model of brain
-Turing's Computing Machinery and intelligence

1950-1970: Early enthusiasm, great expectations
- Birth of AI @ Dartmouth meeting 1956: term Artificial intelligence was coined
- MIT Video "The thinking Machine" on Youtube

1970-1990: Knowledge-based AI
- Expert systems
- AI winter

1990-present
- AI becomes "scientific", use of probability to model uncertainty
- AI spring

1.4 Course Overview
本コースで学ぶ内容の概要が説明されています。"How human think is beyond the scope of the course"とし、AIの一分野であるものの、本コースの対象外としています。
人間がどう考えているかどうかは別として、合理的な問題解決をagent(本コースではPythonでのプログラム)にさせるか、そのためにはどのようなアルゴリズム等があるのか、といったことが本コースの学ぶ内容です。

Week 1 Quiz: Introduction to AI
ここまでの講義の内容と書きのarticleをもとにQuizに答えるようになっています。合計100点で、なんとか満点とることができました。正直、書きのarticle特にWhite Houseが出しているものは量も多く読みきれていないです。Quizに関係ありそうなところだけを読みました。時間をみつけておいおい読んでいこうかなと考えています。
1. Preparing for the Future of Artificial Intelligence. Executive Office of the President, National Science and Technology, Council Committee on Technology. October 2016.
2. Computing Machinery and Intelligence. Alan Turing, 1950.

Week 1 Discussion Questions
Question 1: "Should we be concerned about Artificial Intelligence? Is AI a threat to humankind?”

Stephen Hawking: http://www.bbc.com/news/technology-30290540

Bill Gates: https://www.washingtonpost.com/news/the-switch/wp/2015/01/28/bill-gates-on-dangers-of-artificial-intelligence-dont-understand-why-some-people-are-not-concerned/?utm_term=.666cb624c9b0

Elon Musk: http://www.theverge.com/2014/8/3/5965099/elon-musk-compares-artificial-intelligence-to-nukes

https://plato.stanford.edu/entries/chinese-room/#2.1